今回は独立してからやるべきことの一つとして、「いくら稼げばいいのか」を決めることについてまとめています。
これはむしろ独立前に考えておいても良いくらいのことですね。勢いでとりあえず独立したという方も中にはいると思いますので、今一度考えてみてください。
月々でも良いですし、年間でもいいです。自分は「いくら稼げばいいのか」明確になっていますか?
いくら稼げば死なないのか
ここでいう「いくら稼げばいいのか」とは、年収〇〇円稼ぎたい!といったものとは少し意味合いが違います。
いくら稼げば独立しても死なないのか?というセーフティラインを必ず把握しておくことが大事です。
すでに独立している方でも、自分の月々の固定費を正確には理解していないという方が非常に多いです。
そういう方は売り上げを上げるパワーは凄いのですが、その分気にせずに支出に回すパワーも凄いので、一年通してみたらあまり手元にお金が残らなかった、、、というケースが多いです。
というか僕も一年目の時はそれで非常に辛い思いをしたりもしています(笑
どちらかというと僕も売り上げを上げるだけ上げて、上げた分使って・・・というパターンでした。
僕の場合は途中で切り替えられたので良かったのですが、そこで切り替えられない人は、売り上げはあったのに訳もわからないままお金がなくなって退場していく、、、という人を何人か見てきています。
これはどこのコンサルでも税理士さんにでも言われることなのですが、細かく見てくれるのは基本的には自分しかいません。
特に開業・独立当初はコンサルに数十万円払う余裕なんてないでしょう。
だからこそ、自分でしっかりと考えて日々の業務を行う必要があります。
ここまでお話してもなかなか本質が見えていない人が多いのが現実です。
全ての費用をしっかりと計算してみる
事業主になると、様々なところで経費計上することができるので、財布の紐が少し緩くなります。これはきっと皆さんそうです。
サラリーマンの頃なんて、役員の人たちは経費で色々使って良いなぁ、なんて思ったことのある方は注意です。
経費もあくまで事業で出た利益から出ていますからね。さらにいうと、全額控除されない場合もあるのでとても注意が必要です。
建設系の場合は、キャバクラで散財してしまって退場・・・という人めちゃくちゃ多いです。行くなとは言いませんが、自制できない人は本当にやめた方がいいでしょう。
建設系は事業で扱う金額が大きい分、融資も大きな金額で下りやすくなりますからね。手元に急に数千万円のお金が手に入る訳です。
そうなるとやはりどうしてもお金の扱いが雑になります。自分のお金でもないのに(笑
融資や経費のお話は一旦おいておいて、ここで一度自分が生きていくのに最低限稼がなければいけない費用を細かく見てみましょう。
ちなみに僕の一年目のケース細かく記載しますね。ちなみに会社目線での経費です。
事務所家賃:8万円
光熱費:1.5万円
通信費(携帯・ネット):1.5万円
駐車場:2万円
給与:30万円
社会保険:17万円
車両ローン:4万円
車両保険:2万円
交通費(概算):15万円
税理士:4万円
融資返済:25万円
合計:110万円
どうですか?
ちなみに少しうろ覚えなので正確ではないです。
自分の給与は年間540万円で設定していましたが、社会保険と手取りは確かこんな感じでした。決して高い給与ではなかったのですが、社会保険諸々が非常に重いですね。
なかなか良い額ですね。毎月最低110万円稼がないとお金は減っていく一方な訳ですね。
毎月コンスタントに110万円を絶対に稼ぐ自信のある人がどれくらいいるでしょうか?
融資の返済も含んでしまっていますが、これは経費というよりは返済にあたるのですが、それも固定の支出として考えておくくらいでないと、後々結構効いてきます。
お恥ずかしながら、正直この頃は自分の体感では80〜90万円くらい稼いでいれば十分利益出ていると思っていました。
それなのに随分お金が減るなと思って、細かく出してみて愕然としました。
ちなみに飲食代・交際費・旅費(出張)は一切含んでいませんので、これに単純にプラスされる訳ですね。
毎月数十万円〜数百万円とキャバクラで使える人は本当に凄いなと今でも思います。
ちなみにこれに加えて決算後には消費税と、出た利益には法人税諸々もかかってきますので、融資も受けていると正直手元に残るお金はわずかです。
こんな風にしてちゃんと細かく出してみるのはとても大事です。
これがわからないままのらりくらりやっていると、いつの間にかお金が底を尽きて退場・・・になりかねません。
自分が生きていくために最低限必要な利益はしっかりと頭に入れておきましょう。
何件の仕事が必要なのか
自分の固定の支出が見えてきましたか?
これが出せて初めて営業活動が行えるといって過言ではありません。とにかく営業しまくって仕事を増やしまくって!とやるのももちろん悪くはないのですが、最低ラインくらいは把握しておいた方が良いでしょう。
いくら頑張る!といっても、失速してしまうタイミングはきますからね。その時にこのラインが頭に入っていれば、自分が生きるためには踏ん張れることでしょう。
それが見えたら、次に「どれくらいの仕事が必要なのか」ですね。
建築の施工管理やリフォーム業の場合ですと、粗利率で言うと概ね15〜30%の間が最も多いレンジでしょう。
利益率の低い仕事で基本全て15%だとすると、最低でも毎月733万円の仕事量の確保が必要になる訳ですね。意外と大変です。
特に開業・独立当初は建設業の許可もないでしょうから、あまり高額な仕事は請け負うことができません。
そうなると、必然的に細かい仕事で数をこなすか、粗利率を改善するかのどちらかしかありません。ちなみに30%とれた場合で366万円ですね。粗利率の違いでここまで残るお金に差が出ます。
それぞれお客様の単価もあるでしょうから、急に15%の単価アップは非常に厳しいものがあるでしょう。場合によっては取引してくれなくなってしまうかもしれません。
なので、ここでまたどうするべきかにぶつかります。
案件数を増やすか粗利率を上げるか
固定の支出と、どれくらいの仕事量の確保が必要かわかりましたよね?
これ、普通にやっているとかなり厳しい数字だと思います。少なくとも僕はかなり苦労しました。
元々お客様を抱えていて、これだけの数字がコンスタントにもらえるのが確定しているのであれば、独立して間違いなく失敗することはないでしょう。
そうでないのであれば、確保するために、営業をして顧客数を増やしていくか、利益率を改善する必要がある訳ですね。
僕の場合は両方やりました。
利益率を改善するために新規の顧客を一度一気に増やして、そこからお付き合いのしやすくて単価の比較的良いお客様を選定していった訳です。
これが最も正攻法のやり方かなと思います。
営業の方法に関しては、別の記事で紹介していますので、色々試してみてください。
ちなみに僕の場合は施工の経験もあったので、仕事が薄い時は細かい仕事を自分で行うことで利益を確保していた時もあります。外注に出す20万円を自分でやればそのまま手元に残せますからね。
施工の経験がある方なんかはそういうのを行うだけでも利益率かなり変わってきますので、一度考えてみても良いでしょう。
こういったことを行なって、もともと15%くらいだった利益率を今では最低粗利25%までは持ってきています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は生きるために必要な最低ラインを決めることをお話ししました。
僕の経験をお話しすることで、少しでも踏み外すことが減れば良いなと思っています。キャバクラで散財するのはちゃんと稼いでからでもできますからね。
建設では新規の仕事も比較的取りやすい上に、明らかに業者・人手不足が露呈してきているので、かなりチャンスなタイミングですよね。
今リフォームの営業や施工管理で働いている人や、ゼネコン現場の監督として働いている方、あるいは専門職種で雇用されている方。
自分にある程度のスキルがある人は早めに行動するに越したことはないと思っています。
「ある程度」というのは「誰にも負けない!」じゃなくて良いんです。全国探したら自分よりすごい人なんていくらでもいますからね。
そうではなくて、自分の提供できるサービスで満足してもらえる人がいるのであれば仕事は簡単にとれます。
一度独立を考えたことのある人は、早めに行動してみても良いのではないでしょうか?
その際には今回の「最低ライン」と「最低限の仕事量」をしっかりと把握しておくことで、軌道に乗せやすくなります。
僕のサロンでも何人も手探りだった人が明確な目標に向けて動くようになって充実している方が何人もいます。
独立応援しています、ご安全に〜〜